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「 南太平洋の若大将 」 =若大将 シリーズ第10作=

南太平洋 若大将 加山雄三
若大将 南太平洋 加山雄三
南太平洋 若大将 東宝1967
東宝1967 南太平洋 若大将

南太平洋の若大将原題 : 「南太平洋の若大将」1967年東宝映画(106分)
主演 : 加山雄三
出演 : 星由里子、田中邦衛、有島一郎、飯田蝶子、前田美波里、江原達治
監督 : 古沢憲吾、製作:藤本真澄/神谷一夫
脚本 : 田波靖男、撮影:永井仙吉、美術:本田好文、音楽:弾厚作/森岡賢一郎
    (左写真は宣伝用スチール)

若大将 シリーズ (用語集参照)
ウクレレ関連では、第4作「ハワイの若大将」、第5作「海の若大将」があります。

若大将シリーズ中で本作品の第10作「南太平洋の若大将」と、第18作「帰ってきた若大将」のみは、音楽を弾厚作と森岡賢一郎が担当しています。ご存じ「弾厚作」は加山雄三の作曲家ペンネームでもあります。ウクレレやギターの教則本等、懐メロ楽譜によく出てくる「旅人よ」や「お嫁においで」などこの作曲家氏名で登録されています。 「君といつまでも」は第6作の「エレキの若大将」挿入歌として1965年大ヒットしました。

古い映画を観るといつも思うのですが、首都高が空いていることや、昔は国際空港が羽田空港であったことを改めて思い返します。首都高は完成の暁には「無料」になるはずだったそうですが値上げの一方です。

この映画は、東宝創立35周年記念作品ということと、ヒット・シリーズのためハワイのみならず豪華にタヒチ・ロケを行っています。空撮もありハワイの自然が見事に撮れています。 現在では観光でヘリに乗るツアーがあるので、運が良ければ上空から優雅に泳ぐ「鯨」の姿を見ることもできますが、ハワイの空撮(空撮自体も)当時としてはたいへん貴重なものだったに違いありません。ロケ先のタヒチは、ハワイなどのアメリカ領と違い、フランス領なのでリゾートに対する考え方の違いから(現在でも)現地の風情を大切に守っていますので、より「南の島」という情緒が残っています。看板のフランス語表記も多く独特の雰囲気を醸し出しています。

この作品で感じたもう一つの特徴は、やはりゴウジャスなロケのためか、今では常識ですが、珍しく、コマーシャル・タイアップと思われるシーンが多いのも事実です。 航空会社パンナムはもとより、日本では1958年8月にステレオ・レコードが発売されました。それと呼応してステレオ・レコード・プレイヤーなるものが憧れの贅沢品のひとつだったようです。本編のワンシーンに意味もなく、銀座の東芝ショウルームで「ボストン」 という機種が紹介されています。更に、若大将が取材されてテレビに写るというシーンでは、放映されている画像から引いてゆき、映し出しているテレビ本体が大写 しになるという手法で商品をスクリーンにアップで映し出します。敢えてメーカーは申し上げませんが製作者の努力とアイデアに脱帽いたします。当時いかにこれらの電化製品が高価な高嶺の花であったか知る由もありませんがきっと当時の方たちの憧れであったことでしょう。

1956年「もはや戦後ではない」と謳った 電化製品の3種の神器は確か「白黒テレビ」「電気冷蔵庫」「電気洗濯機」だったと聞いています。この映画放映1967年は、1960年池田内閣「所得倍増計画」よりさらに後年で、「いざなぎ景気」と呼ばれ、GNP世界第2位 となり新三種の神器,3Cブーム「自動車」「カラーテレビ」「ルームクーラー」など家電製品普及著しい時代でもあったようです。

ウクレレに関してタヒチ・ウクレレ
映画でのウクレレ・シーンは、加山雄三さん扮する「田沼雄一」が 自室で唄うシーン。(上記写 真)おそらく加山さんの体格とウクレレの大きさの比率からみてバリトンだと思います。コンサートにしては少し小さいか?、メーカーはヘッドのマーク「カマカ」が見えます。唄のハワイアン(勿論ハワイ語)もGOODです。曲名が分かりません。残念。

もう一つは、タヒチで椰子の並木を唄いながら歩くシーン。こちらはブランドまでは分かりませんがスタンダード・サイズ。手持ち撮影なのか画面 がぶれるのが残念です。

特筆すべきは、タヒチでの現地演奏者のシーンがあり、此処で「タヒチアン・ウクレレ」が一瞬写 ります。部分的ですので詳しくは読み込めませんが、タヒチのウクレレは今も、木をくり抜いてボディーを作り表面 板を張ります。しかもウクレレの元祖ブラギーニアの面影を多く残し、やや分厚いボディーと表面 板なので、おそらくこの画面のウクレレも金属弦を張っていると思います。映画の音声からもナイロン弦の音は聞こえないような気がしました。

*ポスターやビデオ表紙の様に
「冠をかぶった若大将がウクレレを弾くシーン」は残念ながらありません。

2000/10/13



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