Ukulele Sight


ウクレレ楽器


UKULELE基礎知識

 ウクレレが弾けなくても、知っていると日常会話に困ったとき、5分くらいは間が持ちます
「ウクレレって結構いいいよね。やってみようかなあ。」
なんて言いながら、毎日、家で30分間練習を積んでいたりして。
外では博識ぶりを慎ましくひけらかすのだ。とにかく初心者としては自分がくじけないよう
気に入った曲が一曲でもまともに弾けるようになるまで頑張るために。

目  次

 発 祥   語 源   材 料   種 類   各部・名称   構 造 

!!!眠ったギターを起こそう!!!
Part=1= Part=2= Part=3= Part=4=

発祥
ウクレレはハワイ生まれのハワイ育ち。その起源は紀元前千年、ポルトガル人によってマデイラ島で「ブラギーニア」という小型のギター。「ブラギーニア ( Braguinha ) 」、あるいは「マチェーテ・ド・ブラガ ( Braga, machete de braga )」と呼ばれていた楽器がマデイラ島からの移住ポルトガル人によって、
1879年、ハワイに伝来。
 その移民たちのなかの(ウクレレの発明者といわれる)マニュエル・ヌネス、オーグスト・ディアス、ホセ・エスピリト・サント,この人たちが初めてハワイでウクレレを作った。現代のスタンダード・ウクレレはポルトガルの原型よりやや小さめに作られている。
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語源
UKU LELE はハワイ語で「跳んでいるノミ」という意味。
UKU=蚤(ノミ), LELE=跳ねる。

 僕が読んだ資料には、

「演奏中に弦の上を素早く動く指先の動きが跳びまわるノミを連想させた」

と書いてあるものと,

「HAWAIIでこの楽器に興味を持ち、学ぼうとした、背の低い英国軍人エドワード・バーベスを見たハワイの人々の目に跳びまわるノミのように映ったことから,UKU LELEのニックネームで呼ばれるようになり、それが彼の弾く楽器の名前になったと伝えられる。」

と書かれたものがある。

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材料<ウクレレ>
ウクレレは1880年代創始者マニュエル・ヌネス氏によって
コア材を使用して作られてきた。

コアはハワイ原産でマメ科のアカシアの一種で海抜500〜600Mの山腹に原生する。コア・アカシア、ハワイアン・マホガニーとも呼ばれ、ハワイ固有の植物、主にハワイ島で採れる。

 ハワイアン・コア材の特徴はその強度もさることながら、「虎目(トラメ)」と呼ばれる模様が出るものがあるということである。これは、強い海からの風により、木がしなり、幹の繊維が切断される、そして切れた繊維はまた再生する、これを繰り返すうちに木目に対して直角の縞模様が出来る。大変美しく珍重されている。

 コアの原生林は神が支配する場所として畏怖されてきた。コアはある意味ではご神木であり、民俗信仰の対象であった。伐採時には儀式が行われ、その丈夫な材質故にカヌーなどに使われ、贅沢な家具材として使用されている。現在は、希少な木材で、輸出は禁止され、これ以上の減少が進めば工業用木材としの市場取引の停止の可能性もある。

その他、ウクレレ製作の木材としてはマホガニー、メイプル、マンゴ、フィリピン・コアなどがある。

 

材料<弦>  市販ウクレレ弦
 ウクレレの原型であるポルトガルの「ブラギーニア」は今でも金属弦を使用していますが、現在ウクレレの弦はナイロン弦が主に使用されており、ボディーが金属製の「レゾネーター・ウクレレ」用としてナイロン巻弦などもあります。

 「バリトン」や「テナー」には、3弦。「ローG調弦」には、4弦で金属巻弦が使用されています。 ウクレレ用として市販されているナイロン弦や 巻き弦の他にギター弦を利用したり、西洋古典楽器などで使われる手法でクロロカーボン製の釣り糸を使用している方もいます。

 ナイロン弦が生まれる以前のウクレレは、ガットギターなどと同じく、羊や牛の腸から作られた腸線(ガット弦)が使われていました。ナイロン弦と違い寿命も短く、よく切れてしまうそうです。コンサート中に3回も弦が切れたことがあったという話を聞いたことがあります。

 ガット弦に関してはギターでも柔らかくて暖かみのある音色しかも音に厚みが出るため、コンサートなどでは特にガット弦を使用した演奏などが企画されたりします。今日では、生ガットと呼ばれるものよりその外側に金属糸を巻き付けたものが主流のようです。弦の寿命も短く高価な弦です。ウクレレ演奏に使われることはほとんどありませんが、使用は可能です。

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種類
  • スタンダードコンサートテナーバリトンのサイズ別 4種類。
  • 4弦、6弦、8弦、10弦 などの弦数別分類。

  • 通常はボディーの大きさによって分類されます。呼び方は「コンサート・ウクレレ」ですが、複弦の場合、「8弦・コンサート・ウクレレ」のようになります。

    ボディーサイズが違うと弦長も変わります。統一的規格は特に無いようですが、特殊なウクレレでは、スタンダードサイズのボディーにコンサートやテナーサイズのの弦長を持たせたものがあります。この場合、ロングネック・ウクレレと呼ばれ、弦長のサイズで分類していることが多いです。 「セニーザ」や「サニー・D 」などはスタンダードサイズボディーにコンサート弦長のロングネックタイプをスタンダードサイズとして製作しています。見分け方はネックとボディーのつなぎ目が通 常12フレットであるところ14フレット(以上)となっています。
     その他「ベビー」と呼ばれる幼児用サイズがあります。おそらく日本でのみ通用するサイズです。1951年米国で「Ukette」ウケットという子供用プラスチックウクレレがありましたが、楽器メーカーの規格サイズとしては生産されていないようです。日本では2000年からキワヤ商会、ププケアなどで製作されています。

    *形状はギター型が主流ですがパイナップル型もあります。これは1916年ハワイで大規模生産を始めたカマカ氏のデザイン。いくつかウクレレメーカーがあるがカタログには1・2機種しか作られていないようです。ある販売者からこの型はあまり売れないと聞きましたが。僕は個人的には好きです。

    スタンダードサイズのウクレレは、俗に「 ソプラノ」、「ソプラノ・ウクレレ」とも呼ぶことありますが、これは、コンサート・サイズ、テナー・サイズ、バリトン・サイズなどウクレレが楽器として発展していく過程でサイズが大きくなってゆき、基本的な初期サイズを「ソプラノ」と呼ぶようになったと思われます。

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    UKULELE / 各部・名称
    ウクレレボタン 図解


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    構造
    サイズ別調律表 1弦 2弦 3弦 4弦
    スタンダード・モデル A E C G
    コンサート・モデル A E C G
    テナー・ウクレレ A E C G
    バリトン・ウクレレ E B G D
    ギターなどは開放弦が第1弦から第6弦へ低い音になってゆくが、ウクレレの第4弦の開放弦が第2弦の第3フレットにあたる。
     
    バリトンは、ギターと同様に1弦から4弦に順に音が下がっていく。


    チューニングに関しては、米国、ヨーロッパ、一部アジアなどでは、日本で俗に言う「アメリカン・チューニング」で、各弦共に1度高く調律されています。
     
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    LOW G (ローG調弦)

    通常は上記のような(ハナコサン)調律を使いますが、低音部の音域を増やすために、第4弦にオクターブ低い[G]にしたものをローGと呼びます。ウクレレの神様と呼ばれる「オータさん」は、ローGのソプラノを使っています。

     調律ではなく、調弦と書いて有りますように、通常のナイロンの4弦ではなく、ウクレレ・ローG用金属弦が市販されています。
     入手出来ないときは、クラシック・ギターの第4弦(金属製巻弦)で代用できます。

    注意: これは、ギターの5フレットにカポタストを付けた1〜4弦と同じで、開放弦が第1弦から第4弦へ低い音になっていきます。 低音部は広がりましたが、通常のソロ・タブ譜は使えません。コード演奏ならばある程度使えます 。


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    ウクレレ・ベース
    「ウクレレをベースにしよう。」
    日本ウクレレ協会の小林正巳理事に資料を頂きましたので紹介いたします。

    この「日本ウクレレ協会」は、月に1度の定例会で「勉強会」と各自の演奏や、時には、フラダンスまで入る「懇親会」が催されています。勉強会では、ウクレレをはじめ、「スラック・キー・ギター」や「スチール・ギター」などの講習があり、今(1997年9月)は、「エレキ・ベース」の勉強会が行われているそうです。

    以下、頂いたテキストより気になる部分を抜粋。 (勉強会で使用されたもの)


    「ベースは、BASSすなわち低音部を意味しますが、同時に同じ発音のBASE [基礎、基底] にも一脈通じる<音楽の基礎>とも言える重要な楽器なのです。(エレキベースに限定して話を進めましょう)」

    コバ: なんだか、エライことに、なりそうな気配だぞ。

    「エレキベースをお持ちでない方が練習するには、まず、ギターを転用する。」

    コバ: 僕のギターは、4本弦のウクレレ調弦に改造してしまいました。

    「もう一つの方法は、手持ちのウクレレをベース調弦に変えることです。」

    コバ: 面白くなってきたぞ!

    「もし2台以上のウクレレを持っていて、ローGをお持ちでない方は、この機会に1台をローG調弦に改造することをお勧めします。」

    コバ: ローGも魅力は有るが、少々不安だ。

    「どんなに美しいメロディーも、どんなにしゃれたコードも、ベースが正確なテンポで、そして的確な音を取って弾かなければブチ壊しになってしまうのです。」

    コバ: ベースを制するものは音楽を制す、か?


      ウクレレをベースに調弦するには、

        1弦=元のAから1音下げて、「G」
        2弦=元のEから1音下げて、「D」
        3弦=元のCから1音半下げて、「A」
        4弦=LOW-G用(金属巻き弦)で本来Gから1音半下げた「E」


    「こうすることで本来の音程よりも 2オクターブ高い調弦のベース が誕生しました。音が高いのを除けば立派に練習用ベースとして使えます。」

    この後、テキストは、ベース理論へと続きますが、
    興味のある方は、「ウクレレ・ベース」、試してみてはいかがでしょうか。

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    眠ったギターを起こそうPart1

    あなたの家に昔使っていた、もしくは途中であきらめて、今は押入の中で眠っているギターはありませんか?友人のもう使ってないギター、フリーマーケットで見つけたおんぼろギター、なんでも結構。 ウクレレに再生しましょう。

    ギターが弾けなかったあなた、ウクレレなら絶対弾けます。
    信じましょう。

    用意するもの
    ギター

    ナイロン弦4本(クラシックギター用、1弦2本、2弦・3弦各1本)あればカポタスト

    まず、今張ってある弦を全部はずす。
    (構えたときに1番下にくる)1番弦の位置に1番弦を張る。
    2番弦の位置に2番弦を張る。3番弦の位置に3番弦を張る。

    4番弦の位置に1番弦を張る

    5・6番(上の2本)の弦は無い。ウクレレは4本弦の楽器です。チューニングは上の表の通 りです。

    注意;1弦を開放でAまで上げるとテンション(弦の張りの強さ)が高くなりますし、 ギターはネックが長いのでカポタストを使って調節してみて下さい。ウクレレはだいたい12〜17フレットぐらいの楽器です。

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    眠ったギターを起こそうPart2

     

     ギターのもっとも簡単なウクレレ改造方は、カポタストを第5フレットにはめる。弾く弦は1〜4弦。これは、ウクレレでいう「ロー・G」という低音部が拡張されている調律で,通 常のソロ・タブ譜は使えないが、コード進行ならある程度使える。ギターをオリジナルのまま残したい人にはこれが良い。

     もちろん、1〜4弦だけで(カポ無し)ギターを弾いても、ウクレレのコード・フォームでウクレレのオリジナル・キーから4度低い(ロー・Gチューニング)で曲は弾ける。

    ===参考商品===
     YAMAHAの「ギタレレ」という6弦の楽器がありますが、小型化するためにネックを短くし、ギターより4度高くしたもの。
    (ギターの第5フレットにカポタスト装着と同じ)
    ウクレレ感覚のギターとして使えるようだ。

     *とにかくギターは音色は良いのだが、大きくて重いので気安く持ち運びや保管にはたいへんです。
      ・・・・・・・・・・弾けない言い訳。(^_^;) 

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    眠ったギターを起こそうPart3

    僕は、やってしまいましたが、こんなことは、絶対お勧めしません!!!

    用意する物
    ギター
    ギター弦=「第3弦」2本、「第4弦」2本
    のこぎり

    まず、ギターの弦を全部外します。

    ナットに切り込みを入れます。

    • 改造後に第2弦を張るための切り込みを入れます。
      もともと有る第1弦の切り込みから9〜10ミリのところに1本、
    • 改造後に第3弦を張るための切り込みを入れます。
      もともと有る第4弦の切り込みから9〜10ミリのところに1本

    新しく弦を張ります。

    ブリッジは1.2.3.4弦用を使います。

    改造後の第1弦として第1弦用ペグに、
     ギター用第3弦を、もとの第1弦用ナットに張ります。
    改造後の第2弦として第3弦用ペグに、
     ギター用第4弦を、新たにナットに付けた切り込みに張ります。
    改造後の第3弦として第4弦用ペグに、
     ギター用第4弦を、もとの第4弦用ナットに張ります。
    改造後の第4弦として第6弦用ペグに、
     ギター用第3弦を、新たにナットに付けた切り込みに張ります。

    注:弦の選択は、材質やギターのボディーに合わせて換えてみてください。
    これはひとつの例です。

    調律は、ウクレレです。

    これこそ、本当の「ギタレレ」でしょう。 (注:「ギタレレ」はYAMAHAの登録商品名です。)

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    眠ったギターを起こそうPart4

    「やはり」と言おうか当然の事ながら、ギター愛好家から「改造編パート3」の記事に
    「なんというとんでもない事をするのか」
    という御批判を頂き、それならという訳で、こんなこともできます。

    弦を1〜4弦の4本使うのは同じです。残りの2本も鳴らない工夫が出来れば、外さないで、そのままでも構いません。チューニングもギターのままです。(1弦から4弦へと順に音が低くなっていきます。)金属弦でもナイロン弦でもいいでしょう。
    ちなみに、1-E、2-B、3-G、4-D、(使いませんが、5-A、6-E)
    演奏時に、ちょっとした配慮が必要で、4度移調したコードで弾きます。

    本来、演奏するコード名の
    ABCDEFGは、
    DEFGABCのコードに替わります。
    楽譜でCコードの時にFのコードで弾いてください。

    例えば、「ああ人生に涙あり」(水戸黄門主題歌)
    (Dm)人生、 (Dm)楽ありゃ、(Gm)苦も(Am)ある、(Dm)さー。 だとすると、
    (Gm)人生、 (Gm)楽ありゃ、(Cm)苦も(Em)ある、(Gm)さー。 に替わります。
    但し、演奏のコードは替わりましたが、曲のキー(Dm)は、替わっていません。

    これは、「バリトン・ウクレレ」のチューニングと奏法なのです。

    この方法なら、ギターを大切にする方にも薦められますし、ギターの5フレットにカポを付けた時のウクレレもどきより音に厚みがありますので、バリトン・ウクレレとして、ウクレレとの重奏やアンサンブルにも使えそうです。

    注:演奏コードは、ウクレレのコード・フォーム(フィンガー・フォーム)を対象としています。

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    参考資料;KAMAKA HAWAII UKULELEカタログ、ハーブ・オオタ/ウクレレ教本(中央アート出版社)、ウクレレ快楽主義(TOKYO FM出版)、etc



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